Feathercraft Test Ride!!

長かった・・・。・゜・(ノД`)・゜・。

 やっとこの日がやって来た。

 カヤック界のロールスロイス。世界一のフォールディングカヤック。カナダが誇るフェザークラフト。

今では当たり前にシーカヤックについている270°回転するフリップアップラダーは、フェザークラフトが始まりである。波を柔らかく越えていくその漕波性能と安定性の高さから、世界の冒険家達からの厚い信頼を得て、数々のエクスペディションに採用されていたり、リジット艇に引けを取らない艇速を持つ唯一のフォールディングカヤックだったりと、その素晴らしさを書き出せばキリが無い訳だが、そんな至高のカヤックを手に入れるべく、先日FC(フェザークラフト)の販売代理店である滋賀県のグランストリームにお邪魔して来た。

 外観からはとても何十万もするカヤックを販売しているとは思えない、古びた佇まいの古民家を利用した店舗の軒をくぐると、店内には旅心を刺激される日本近海の海図が立てかけられ、壁には生きた伝説と言われる野田氏とカヌー犬ガクがユーコン川を下っている写真が飾られていた。

 綺麗に装飾され、ピカピカのカヤックを美しく展示しているショップは沢山のあるだろうが、このグランストリームはそういったいわゆる一般の販売店とは何かが違う。

 そう、旅の匂いがえらく濃いのだ。

店の奥から現れたショップのオーナーの大瀬さん。僕のようなカヤックのズブの素人からみれば、もうそりゃ〜雲の上の人であり、日本を、世界を漕ぎ渡る冒険家である。
にも関わらず、物腰柔らかく温和な話口調にすっかり魅了された僕は、時間をおかずしてその店の虜になってしまった。

 今からフェザークラフトの世界に、旅するカヤックワールドに足を踏み入れようとする僕にとっては、 素晴らしいスタートを切れそうな予感がフツフツと湧いてくる。

 さて、本題の試乗に入ろう。

 実はこの日を控えた数日前。
カサラノとヘロンを所有する近所に住むほっさんから連絡があった。

FC社がヘロンを作るに当たり、最終の試作モデルが世界に2艇存在し、一つはFC社のオーナーであるダグ・シンプソンが所有しているのだが、残りの一艇がグランストリームにあり、ヘロンの正式な試乗艇導入に伴いその艇を放出するらしいというのだ。

毎日F様の事ばかり考えている僕は、フィールドライフ夏号のフェザークラフトでのツーリング記事を読み漁り、ホーボージュンさんの瀬戸内横断トリップの様子を熟読する日々を送っていたのだが、ヘロンの試作モデルというのがまさにその旅に使われているカーボン色のヘロンなのである。

僕の盛り上がり方はもうそりゃ半端ではなく、初体験を目前にした15歳のガキの如く・・・であった。

 大瀬さんが今回僕の為に用意してくれたのが鮮やかな青が印象的なウィスパーXPと、先に紹介したカーボン色のヘロン試作モデルである。

広大な琵琶湖のほとりに並べられた美しい2艇のF様を目の前にして、感無量・・・♪ 

 もう、このまま死んじゃってもいいよ・・・ってくらいの幸福感を噛み締める。

 たまたまツーリングの準備をしていたグランストリームの常連さん達のフェザー艇も並び、何だかちょっと照れ臭いのだが、先ずは青いウィスパーXPを漕いでみる事に。

 パドルを琵琶湖に差し込み引いてみると、スッと艇が前に進む。 ぬおぉ〜、か、軽いぞこの船!!右、左とパドルを動かすごとに、何の抵抗感もなく鮮やかな青色のバウが水を切って進んでいく。

ここ数年はウィスパーが人気らしいが、なるほどこの操作性にしてこのフォルム。売れる理由がわかる気がする。
危うく、「コレ下さい。」 と言いそうになる自分を抑え、ヘロンの試作艇に乗り換える。

 ん?! お、重い。 漕ぎ出しがえらく重いぞ。
何があってもひっくり返らない安定感は凄まじいが、先々週に、ほっさんのヘロンを一日中漕いで感じた軽快感がまるで無い。何となく違和感を感じながら岸に戻る。

 う〜ん、何か違う気がする・・・。

 実はこの試作ヘロン。密かに、気に入れば持って帰ろうと思いウィスパー以上に期待していただけに、どうにも複雑な思いである。大瀬さんにその旨を伝えると、お客さんのヘロンを漕いでみますか? と、思ってもみない有難い提案に恐縮しながらも、願ってもないチャンスなのでお願いする事に。

 コックピットに潜り込むと先ず感じるのは一次安定性の違い。試作艇はドッシリとした安定感があるのに対し、ヘロンは確かに少し揺れはする。しかし、その揺れは恐怖を伴うものではなく、ある種の軽快感すら感じる事はできる安心した揺れだ。さらに漕ぎ出してみると、明らかにスムーズである。

まるで水の上をしっとりとすぺっていくような滑らかさである。

 そうそう、コレだよ!!

 俄然テンション上がりまくり。

これ、まったく別の艇だよな・・・。 確かに見た目は同じだし、ヘロンの特徴的なハッチのレイアウト(バウ側にミドルハッチ、スターン側にスモールとラージの2つのハッチが並ぶ)が旅心を刺激してくるのも同じではあるが、漕ぎ味はまるで違うのである。

そして、NAOZO的には、製品版ヘロンが完全にツボにハマってしまった。

しかし・・・、予算の壁が非情にも高く高くそびえ立ち、即断する事は出来なかった。

漕ぎ始めから軽く、早々とトップスピードに到達し、軽快にそして安定して漕ぐ事のできるウィスパー。細身にグッとそり上がるバウの形状はもう言葉にできない美しさがあり、眺めているだけでも半日は過ごせそうな気がする。乗ってよし、眺めてよし、値段も予算内。なにも文句ののつけようがない。

 かたや、ウィスパーと比較すれば確かに大柄ではあるが、それでも喫水が浅い空荷ではリーンをかけるとスッと曲がる操作性にして、驚くべきはそのトップスピード。全長5.4mの長い喫水線が生むその艇速は、やはり目を見張るものがあり、こいつとならどこまでも漕いでいけると思わせてくれる。

しかし・・・、陸上での取り回しの重さとその値段。

 考え過ぎて・・・気持ち悪い( ;´Д`)

試乗を終え、常連さんがカヤックにセールを張って帆走する滅多にお目にかかれないセーリングカヤックを見せて頂き、店に戻り大瀬さんの今までの冒険話を聞かせて頂いたり、フェザーの話や仕事の話など、楽しい談笑の時間を過ごしているうちに段々と太陽が西に傾いてきた。

 NAOZO的な使用方法では、もっぱらサンデーカヤッカーであり、ちょっとした空いた時間に海に出かけ近場を漕ぐ事が一番多いだろう。そういう意味では、ウィスパーこそが理に叶う選択であり、現実的な大人の判断だろうと思う。だって、長期の休みも中々取れず、しかも冒険的な何日間もかけてのツーリングなんてそれこそが非現実的なのだから。

 そう思い、大瀬さんにウィスパーXPでお願いしようかなぁ〜っと告げる。

しかし、大瀬さんは、あくまで僕の意見を最大限尊重してくれながらも、こう言った。

「確かにウィスパーは文句のつけようのない最高の艇です。誰に勧めても安心して乗ってもらえます。でも、今日お話を伺う限りでは、NAOZOさんにはあえてヘロンをお勧めします。きっとNAOZOさんはそういう人ですよ。」 

これが仮に商売としての言葉だったとしても、完全に僕の心のを捉えたのは間違いない。

 朝の開店前からお邪魔し、グランストリームを後にしたのは午後5時に近かったと思う。
丸一日、あ〜でもない、こ〜でもないと悩み悶える僕に、嫌な顔ひとつせずに付き合って頂いた大瀬さんには本当に感謝の言葉もない。本当にいい人に巡り合えたと、これから始まるカヤックライフにワクワクせずにはいられない自分が居る。

帰りの道すがら、西陽を受けて輝く日本海を眺めながら、十数年来憧れ続けたF様に乗り、荒波を渡る自分を想像してはニヤけ、透き通る海の海底に映るカヤックの影を想像しては、ボルボのシートで悦に浸るNAOZO。そして、そんな妄想の中で、まだ見ぬ沢山のカヤック仲間とともに、笑い歌いながら海を越えていく僕が乗る艇は、やはり眩しいほどに太陽の光を浴びて輝く黄色いスキンを持つ世界一セクシーなフェザークラフト艇【ヘロン】であった。

 その妄想を現実とすべく、晴れて正式にオーダーしちゃった♪

 イエローのヘロン。 略して・・・イェロン?!

 納艇まで約1ヶ月。 まだまだ悶々とした日々が続きそうです・・・( ;´Д`)

※NAOZOがオーダーした同形同色のHERON

カテゴリー: KAYAK, NAOZO DAYS   パーマリンク

Feathercraft Test Ride!! への12件のコメント

  1. baronpapa より:

    試乗記事楽しみにしてましたv
    人の葛藤って面白いですよね(笑)

    ん〜試作モデルとはそんなに違うんですか!
    だからHB氏は瀬戸内横断で苦労してたのかな?

    つかそんなにヘロンいいのー?
    なんか凄く気になる^^

    まさかO氏がススメたのはWisperが窮屈そうだったからじゃないですよね?(爆&失礼)

    いずれにしても、おめでとうございます!
    納艇は9月下旬くらいでしょうか?
    シルバーウィークに間に合う様ならぜひお遭いしたい。つか乗りたい(爆)

    • NAOZO より:

      いやはや、試乗してさらにここまで悩むとは、FC恐るべし!!
      ウィスパーもイイ! そしてヘロンの試作艇も全然良かったですよ。
      きっと、ヘロンと合わせて乗らなければ、アレを持って帰った可能性が高かったデスね。
      ただ、煽る訳じゃないんですが、ヘロンは流石に最新艇。
      全てが高次元で絶妙にバランスがとれていて、洗練された感があるんですよね〜。
      何よりも、こいつさえあれば、世界の何処でも漕ぎ出す事が出来るって思える所が最高に萌えますね♪(´ε` )
      バロンパパさん、大変っすね〜。 カサラノにヘロンにエアラインシリーズ・・・。
      気になる艇が多くて( ̄▽ ̄)

      機会があれば、是非心ゆくまで試乗して下さい(^^)
      ただ、ヘロンは乗っちゃうと絶対に欲しくなっちゃいますよ〜!!

      あ、そうそう、明日縁があって、憧れのホーボージュンさんにお会いすることになりました♪
      いやぁ〜、今から緊張しちゃうなぁ〜!! (((o(*゚▽゚*)o)))

  2. ほっさん より:

    そうそう、NAOZOさんはそういう人ですよ〜。ヘロンですよ〜。

    大瀬さんに根回しの甲斐ウンヌンカンヌン・・・ニヤ(・∀・)ニヤ 

    • NAOZO より:

      マジで、大瀬さんと話してたら、ほっさんの影がチラホラ。
      周到な根回しにしてやられました( ̄◇ ̄;)

      でも、ヘロンは最高なのでヨシとしましょうか(^^)

      納艇のあかつきにはイェロン2艇で若狭行きっぱなしツアーしましょうか♪

  3. kensei_kobe より:

    はじめまして、kensei_kobeといいます。
    kyoumoe_etennkiさんのブログから来ました。

    古いGSというバイクのりで、カヤック・フェザークラフトにも興味があります。
    グランストリームの試乗会にも2回ほどおじゃまして、ダグにもあったことがあります。
    そのときは、漕いだときの気持ちよさから、「いつかWisperを買いたい」と思っていました。

    しかし、ヘロンもいいのか~
    大きすぎるかな?と思っていましたが、またたのしい悩みができました。
    ヘロン、ぜひ感触を確かめてみたいですね~

    • NAOZO より:

      初めまして。訪問&コメントありがとうございます。
      ダグ・シンプソンにお会いになった事があるとはうらやましいです♪
      フェザーの艇はどれも個性があって、一艇を選ぶのが非常に難しいですよね^^;
      出来れば全部欲しいと思ってしまいます。
      ウィスパーは非常によくできた艇ですし、僕もヘロンに決めた今でも欲しいと思います。
      あとは陸上での取り回しでどうか・・・ってところがポイントになるのかなぁ~っと。
      ヘロンは水に浮かべちゃえば大柄すぎてどうこうって事は全く気にならないですよ~^^
      機会があればヘロン乗ってみて下さい^^

      GS・・・いいっすね~^^

  4. がけっぷち より:

    オーダー!! 初体験の15歳!!
    って初心な気持ちをもった子供のような状態にこちらまで背伸びして晴天の空の下に駆け出しそうになりました。 現実は5Fなのでベランダから落ちるんでしょうけど。(TωT)
    凄いですねぇ。ついに!っていうか悩んでいる最中ママさんたちの笑顔や、ちょとした小遣い節約計画だったり色々な事が脳裏に浮かんで、ちょこっとだけ脂汗も出たことでしょう。
    新車に合わせて新カヤックでお出かけするイメージ、湖や日本海で漂うイメージ♪
    なんだか広島から勝手にNAOZOさんの未来の記事を想像してたりします。
    お祝いにカヤック取り付け金具を素人がけっぷちが作って、48ノット出るエンジンでもプレゼントしましょう♪ (≧∇≦)/ カヤック魂に反するけど、カヤックに取り付けたら山口県壇ノ浦経由で瀬戸内海まで1日で到着。操作を誤れば水中を進む事になりかねませんが、そこはパドリングでクリアしちゃってください♪ ( ̄ー ̄)v

    • NAOZO より:

      脂汗・・・ちょっとどころじゃ済まないっすよ^^;
      半端ない金額だけに、最後の最後まで迷いました。
      ただ、結局いつかは手に入れるつもりだったので、何かの運命のタイミングで今フェザークラフトが目の前にあった。
      そう思う事にして自分を納得させることにしました。
      しかし・・・48ノット出すと、確実に空中分解しちゃいますね~^^;
      そのうち、瀬戸内アイランドトリップに行きたいなぁ~とは思ってますが、瀬戸の潮流はハンパないらしく、それなりにしっかりと漕ぐ練習をして挑みたいっすね~!
      海を基準に考えると、日本は圧倒的に広い!! 
      最近、ホントにそう思います。

  5. タッカン より:

    やはりな・・・^^ 本人的には色々葛藤があったと思うが、はたから見ればこういう展開になるのは必至だったよ バク

    でもどうせ買うなら早いほうがいい!んで、めちゃめちゃ楽しむのが幸せだぞ ^^
    まずはおめでとう!いつかそのロールスロイスに乗せてください ^^

    で、話は変わるが・・・ ここじゃ書きにくいんでまた電話する! バク

    • NAOZO より:

      ま、自分でも展開的には読めてたけど、流石に・・・ねぇ~^^;
      家族の為ならばそれ程迷う様な事も無かったかもしれないけど、完全に自分の趣味なだけに・・・。
      まこれで家族全員が乗れる船が確保できたってことで、一応ヨシとしましょう♪
      我が家のF様はいつでも試乗OKだけど、ソロ艇の軽快感を知ってしまうとヤバいよぉ~。

      んで、なにか楽しそうな企みがおありのようで・・・連絡まっとります^^v

  6. シモさん より:

    おめでとうございます!(^^)!
    いや~、そこまでのめりこんでしまったんですね。
    NAOZOさんに感化され、我が家もカヤック購入したお店の店長が海はロマンです。と、きっぱり・・・・
    いまだにその境地には達せず、静かな水の上で楽しんでいます。
    こんどじっくりと楽しいお話聞かせてください。進水式の模様も楽しみにしてますね。

    • NAOZO より:

      おぉ~! 北海道から帰ってきたんですか?
      楽しいお土産話をまってます^^
      ウチもきのっぴ家も、すっかり海の虜となってしましました^^;
      静水ももちろん面白いんですけど、刻々と変わる海況の変化、風や波の音や揺れ。
      なんてったって、どこまでも続く水平線は本当にロマンですよ。
      シモさんも是非レアアイテムのラダーを付けて、一緒に海へと漕ぎ出しましょう♪
      情報によると、エルズミアの570Tのラダーがポン付けできるとか出来ないとか・・・(  ̄ー ̄)*キラン

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

Spam Protection by WP-SpamFree