2019 モンゴルツーリング⑦
前日の悪天候が嘘のような清々しい朝。
乾燥した大気に舞い上がっていた粉塵も雨で洗い落とされ、これ以上ない澄んだ空気感と、今日で旅が終わるんだという寂寥感。それに、なんとか無事に終えられそうだという安堵感に包まれる。
最後の幕営地となった緑が美しい平原を見渡しながら、ゆっくりと朝食をいただき、スタッフ達が前日に濡れた装備を乾かしながら撤収する間、この数日間世話になったYAMAHA製AG200に火を入れて、周辺をぶらりと流す。
既に遠い記憶となりつつある、初日のウランバートルから走り出した時の不安感。始めてダートに突入して、あまりの荒れ果てたガレたピストに翻弄された時の絶望感。いきなり視界が開けて、どこまでも続く大草原の道なき道を駆け抜けた高揚感。深い轍にハンドルを取られたり、急な深砂に転倒したり、泥濘地でスタックしたり。
そんな変化に富んだ毎日を脳裏にフラッシュバックさせながら、名残惜しい最終キャンプ地を離れる。
ツーリング最終日。6日目のライドが始まる。今日も見渡す限り、あたりまえの絶景具合。
このモンゴルという国を旅して一番感じたことといえば、おそらく有史以来全く変わることのないこの雄大な景色が、現代の21世紀においてもなお、なんら変わること無く続いているってこと。
日本においては、狭い国土に不釣り合いな人工がひしめき合って暮らしているってこともあり、日本の隅から隅まで開発の手が伸びており、純然たるウィルダネス(荒野)というものがもはや存在しない国となっている。
そんな日本は、便利で快適でもある反面、道を外れて荒野に足を踏み出すような旅をしようと思うとなかなか難しい。だからこそ、陸を離れて海という荒野を旅する事ができるカヤックでの海旅に魅力を感じているんだけどね。
願わくば、このモンゴルの美しい大地が、これから先もずっと変わらず存在し続けますように。そして、いつまでも僕達のような旅人を、優しく迎えてくれることを願わずにはいられない。
少しずつ、少しずつ、四方に拡散していた無数のピストが、ある方向に向かって規則性を帯びてくる。このピストが最終的に収束してゆく先に、この旅のゴールであるウランバートルがあることは、もちろん僕達は気づいてはいる。でも、あと少し、もう少しだけ、この楽園のような風景の中を、無心に走り続けたいと願いながら丘を越える。
しかし、その願い虚しく、ポツンとあるだけだったゲルが、トタンの屋根を持つプレハブに変わり、それが少しづつ集まり集落を作る。
終わっちゃうな・・・。
考えたくないこの一言が、脳裏に現れては消えてゆく。小さな町をすり抜けながら、次第に踏み固められてゆくピストに旅の終焉を感じていた矢先、エイジさんがドッテっとコケる(笑)
最後まで、美味しいところを持っていく人だ。
そしていよいよこの数日間、ずっと続いていたラフロードが突然切れ、アスファルトの舗装に出た瞬間、僕達の2019年夏の最高の旅は、フィナーレを迎えた。
6日前に、曇天の曇り空からポツリポツリと雨が落ちる、寒々しい風景の中を走り出したあのアトラスホテルが、紺碧の青空の下、僕達の旅の終わりを見届ける。
アトラスホテルの片隅でAG200のイグニッションをOFFにする。
聞き慣れたトコトコという頼りなくも愛らしいエンジン音が消えた。そして少しの静寂の後、怒涛の達成感と共に、この数日間、苦楽を分かち合い旅した仲間やスタッフへの感謝の気持ちが溢れ出てきて、みんなでハイタッチしながら雄叫びをあげた。
2019年の夏、僕達が旅をしたこの一週間に満たないモンゴルでの経験は、8日間の休みと、ちょっとしたお金と、家族の理解と、思い切って外に飛び出す少しの勇気(と二輪免許)さえあれば、誰でにでも経験できるものではある。(なんたって、ツアーなんだから)
ただ、この旅を申し込んだあの時に、ふんわりとイメージしていた旅の輪郭はいい意味で思いっきり裏切られ、実際に過ごしたこの荒野での6日間は、大げさだけれども、僕にとっては一生忘れることが出来ない、人生を変える程のインパクトを持った大切な思い出となって心に刻まれた。
暑さや寒さ。乾燥と雷雨。山あり谷あり、見渡す限りの平原や湿地に砂丘。乱れ咲く花や自由に駆け回る動物達。
「うわっ!」とか、「うぐっ!!」とか、「やめてくれ~!!!」とかの絶叫を、何度口にしただろうか?
道なき道をゆくこのモンゴルのバイク旅は、確かに大変だし、不潔だし、疲れる。
それでも思う。
いつもの見慣れた変わらぬ日々をちょっと退屈だと感じたり、心を思いっきり開放して無心になりたいと思うならば、是非この国を走って、見て、雄大な大自然と素朴な人々を感じてほしい。
間違いなく、人生観が変わっちゃうと思うよ♪
番外編を、あとがきとして後日エントリーする予定だけど、本編はこれにて終わり。
長い長い稚拙で読みにくい文章を、根気よく最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回お世話になったクルーズインターナショナルさん。道々先導ガイドとして僕達オフロードひよっこライダーを導いてくれたアックン。通訳としてだけではなく、日々の細やかなお世話をしてくれたハルちゃん。その他帯同スタッフの方々。旅の途上でお世話になった現地の方々。8日間を共にしたY兄弟のアニキとエイジさん。
そして・・・え~っと・・・特にお世話になった訳じゃないけど、相棒のけんちゃん。
何より、僕の旅好きを理解してくれて、応援(?)してくれているママちゃん(*´ω`*)
改めて、心から感謝します。本当にありがとう!!
またいつの日か、こうやって全力で楽しめる旅が出来ることを願って。
チャオ♪
「うわっ!」とか、「うぐっ!!」とか、「やめてくれ~!!!」とかの絶叫を、何度口にしただろうか?
道なき道をゆくこのモンゴルのバイク旅は、確かに大変だし、不潔だし、疲れる。
それでも思う。
いつもの見慣れた変わらぬ日々をちょっと退屈だと感じたり、心を思いっきり開放して無心になりたいと思うならば、是非この国を走って、見て、雄大な大自然と素朴な人々を感じてほしい。
間違いなく、人生観が変わっちゃうと思うよ♪
番外編を、あとがきとして後日エントリーする予定だけど、本編はこれにて終わり。
長い長い稚拙で読みにくい文章を、根気よく最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回お世話になったクルーズインターナショナルさん。道々先導ガイドとして僕達オフロードひよっこライダーを導いてくれたアックン。通訳としてだけではなく、日々の細やかなお世話をしてくれたハルちゃん。その他帯同スタッフの方々。旅の途上でお世話になった現地の方々。8日間を共にしたY兄弟のアニキとエイジさん。
そして・・・え~っと・・・特にお世話になった訳じゃないけど、相棒のけんちゃん。
何より、僕の旅好きを理解してくれて、応援(?)してくれているママちゃん(*´ω`*)
改めて、心から感謝します。本当にありがとう!!
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またいつの日か、こうやって全力で楽しめる旅が出来ることを願って。
チャオ♪
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