2019 モンゴルツーリング【あとがき】
6日間に渡るモンゴルツールングを終えた我々は、帰国前の最終宿となるウランバートルの中心街にあるホワイトハウスホテルに移動し、薄汚れたライディングスタイルを解く。
シャワーはおろか、まともに顔も手もチ◯コも洗わずに過ごした6日間。確かに2日目に温泉にはありつけたけど、お湯に浸かっただけで細部は未洗浄・・・(*´ω`*)
全身の垢を落とす瞬間のなんと清々しいことか!!
石鹸最高~!シャンプー最高~!!!
カヤック旅でも何度も経験しているけど、数日分の垢を擦り落とした後の、このひと皮剥けた感がたまんないんだよねぇ~(笑)
身体がキレイになると不思議と気力も蘇ってくる。さっそくウランバートルの市内観光に繰り出す。
2個で1ドルのクリスピーソフトクリームが激ウマ!
デパートでお土産を買い、馬頭琴の演奏と伝統舞踊、そして個人的には一番楽しみだったホーミー(喉歌)を聴きに劇場を訪れる。以前からこのホーミーが好きで、時々youtubeで聴いていたんだけど、生の歌声(というか喉声)はホントにすごい!! いったい、どこから声が出てんだろう?!
ちなみにホーミーとはこんな感じです。(youtubeで『hoomei』で検索すると色々でてきます)
その後、The Bull Hotpot Restaurantにて豪華に日本的しゃぶしゃぶ店にて打ち上げ。
旨い肉と旨い酒。そして、今日まさに終わった旅を振り返りながら酔っ払う。こうして、モンゴル最後の楽しくも、ちょっと切ない夜は更けていった。
☆☆☆
長いような、あっという間のような。
とにかく僕の夢見ていたモンゴルの旅は終わった。
ずっと思い描いていた夢の大地を思う存分走り回った。本当に、毎日が刺激的で、幻想的で、ずっと夢の中にいるみたいなフワフワとした感覚の中、ヤマハAG200を駆って砂塵を巻き上げながら走り、感じ、見た、リアルなモンゴル。
密かな憧れを抱いていた遊牧生活も、実際この目で見て、ゲルに泊まり、彼らが暮らす様を見るにつけ、確かに何にも束縛されない自由な暮らしぶりに惹かれるものはあるにせよ、僕達現代人が営む便利な日々の生活のほぼ全てを捨てる覚悟がいる。それは、日本に住む都会人が、田舎暮しに憧れて住居を山間部に移す程度の覚悟とは、全く次元が違う。
限りない自由と引き換えに、下手をすれば周囲百キロに渡ってほぼ無人の荒野の中、有事の際の連絡手段もなく、さらに冬季は-50℃にもなる極寒の地で、雪に閉ざされて冬を越すなんていう、途方も無いサバイバルライフが待ち受けている。
いやぁ~、内モンゴルに暮らす遊牧民の、なんて逞しいことだろう。本当のノマドな生活の厳しさを垣間見る思いだった。
日々、帯同するコックのおかあさんが作ってくれたご飯、ハズレは一切なし!食事の心配は旅が始まるまでずっとあったんだけど、結果100%大満足♪
ひょっとして、日本人に合うようにアレンジしてくれているのかと思って通訳のハルちゃんに聞いてみたけど、普段モンゴルの人が食べる料理そのままとのこと。まぁ、大都会のウランバートルに住む人に限ったことかもしれないけどね。
ゲルに住む子どもたちは、10歳にも満たないような子供でも、鞍を付けずに馬を乗りこなし、オートバイにまたがって草原を走り回る。もちろん、免許証制度はあって、オートバイの免許の取得は16歳からなんだけど、どうやら地方(っというか、ウランバートル以外)に住む遊牧民に関して言えば、大地の全てが我が家の庭?!的な扱いのようで、免許なんて関係ないらしい。
まぁ、捕まえに来るポリスがどこにもいないからってのも大いにあるんだろうけど(汗)
このモンゴルにおいて特筆すべきは、言葉を失うほどに空を覆い尽くす満天の星空だろう。高い山も、遮る建物も無いこの広大な平原は、太陽が沈んでしまえば人工の光が一切ない漆黒の闇となる。
月が昇る前の夜空をそっと見上げると、そこには本当に宇宙が広がっている。
あんまりにも星の数が多すぎて、日本では簡単に探し出せるカシオペア座や北斗七星を見つけることすら困難だ。そんな息を飲む無数の星々の中、時折スッっと光の筋が現れては消える。
天の川がくっきりと見える星空にカメラを向けると、シャッターが開いている15秒の間に、いくつもの光跡が確認できる。僕達が日本で見上げる薄暗い夜空にも、本当は同じだけの星が瞬いているはずなんだけどね。
いつも旅して思う。国内外にかかわらず、この世界にはまだまだ知らないことの方が当たり前に多い。
でも、情報過多なこの時代、求めればそれこそ、地球の裏側の名も知らない街の裏路地や、人が入り込めないようなレアな場所の映像が容易に手に入る。それこそ、いつものデスクやお気に入りのソファーに腰掛けて、ちょっと指先を動かしただけで、お金も時間もかけずに、瞬間的になんだって知ることができる。
でも、やっぱり僕はこれからも、泥臭く旅をしたいと思う。
草原に漂う馬糞の匂い。自家製チーズのゲロのような味。隙間というスキマに入り込む砂塵。触れると3時間くらいジクジクと痺れたようになる葉っぱ。ドラム缶からホースを使ってガソリンを給油しながらタバコに火を付けるおじさん。突然幅寄せしてきて罵声をあびせるトラックの運転手。光る丘。風紋の砂丘。アスファルトに空いた1メートルの大穴。オボーという石積みにそえられる動物の骨。はにかむ女の子。歯をむき出しにして迫りくるモンゴル犬。雨。風。空。太陽。地平線。
その土地を訪れて、初めて知ることや分かる事や理解できる事。それらを通じて僕の中に湧き上がる想い。それを感じたくて僕は旅をしているんだろうな。
モンゴルに来るきっかけとなったヤマハ発動機のホームページにあったモンゴルツーリングのドキュメント記事の中の一節。
「つまるところモンゴルをバイクで走ったことがあるか、なんだよな」
この意味は結局よくわからなかったけど、ひょっとすると、
「見聞きするだけじゃ何も分かんないぜ。YOU!来ちゃいなよ!!」
って事だったのかもしれないなぁ~。
まだまだ僕の旅は続く。
一人旅なのか、仲間がいるのか、それともママちゃんや子供達と旅をすることになるのかは分からない。ただ願わくば、これからも、漂うように旅をし続けたいと思う。
ではまた、どこかの旅でお会いしましょう。
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あ、最後に一つ。
旅の相棒のけんちゃんが同室の宿で、僕が歯磨きをしているスキにトイレを占領してウ◯コをするのには辟易した・・・。その後、異臭がする洗面で口をゆすぐ俺の身にもなってみろ!!(泣)
ではまた、チャオ♪
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