高島トレイル撤退記。
あまりに残念過ぎて、もう記憶から消し去って無かったことにしようかとも思ったけど、このBLOG的に準備編を書いた手前、一応フィールドレポートも残して置かないと繋がりが悪いということで、さらっとここに顛末を記しておこう。
まぁぶっちゃけ、誰も読んでいないこのブログに、繋がりもへったくれも無いんだけどね(笑)
詳細は動画としてYoutubeにも上げたので、お暇な方はぜひそちらの方もご視聴いただければ幸いです。
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山を始めるずっと前、琵琶湖の北西エリアである滋賀県高島市に、日本海と太平洋を隔てる分水嶺があり、その峰に沿って続くトレイルが開通したっていう記事を、何かのアウトドア雑誌で読んだ。それが中央分水嶺高島トレイルであり、全長80kmに渡るそのルートは、当時国内ではあまり見かけないロングトレイルということもあり、いよいよ日本にも本格的な山を歩いて旅をする文化がやってきたとワクワクしたのを覚えている。
今となっては、斑尾~苗場の110kmをつなぐ「信越トレイル」や、その信越トレイルからつながり近年開通したばかりの「あまとみトレイル」は80km。信越トレイルと合わせると190kmのロングトレイルとなる。また、島根-鳥取の日本海沿いを歩く「山陰ジオパークトレイル」は230km、さらに青森から福島の海岸沿いをゆく「みちのく潮風トレイル」にいたっては1000kmという長大なトレイルが開通している。
世はまさに、ロングトレイルハイク時代!!そんな中、登山というよりは、歩き旅に強い憧れを抱く僕は、日本のロングトレイル文化の始祖である高島トレイルを、分割でもいいから歩いてみたいということで、2022年の秋が深まる11月に、トレイルの起点となる国境スキー場からその第一歩を歩き始め、愛発越-乗鞍岳-黒河峠-三国山-赤坂山を経て、粟柄越という峠に至る13kmを歩き、そこでトレイルアウトしてマキノ高原へ下山して、高島トレイルの第一弾を終えた。
その旅程は動画にまとめてYoutubeに上げてあるので、興味がある方はご覧下さい。
さてさて、やっと長い前置きが終わり、今回の旅の本題となる訳だけど、ここまで大層に書いてきてなんなんだけど、冒頭でお伝えした通り、結局はトレイル復帰に向けてアプローチを登り、前回歩き終えた粟柄越で逃げ帰っちゃったもんだから、特段書くことはないんですよぉ~(汗)
ゴメンナサイ... m(_ _)m
ってことで、YAMAPやインスタグラムにあげた内容をちょびっと加筆修正して、さらっと事の顛末をご報告して終わっちゃおうと思います。
山もブログも引き際が肝心。逃げ足だけは自信があるNAOZOです(笑)
山もブログも引き際が肝心。逃げ足だけは自信があるNAOZOです(笑)
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長い冬をグッとこらえて、待ちに待った高島トレイルだったのに…。
JRマキノ駅前の無料駐車場に車を停めて、8:15発のバスで揺られること20分。たどり着いた登山口のあるマキノ高原キャンプ場は快晴。事前に調べた天気予報は予定日程の2日間とも晴れ時々曇り。絶好の山旅日和の予感に胸を膨らませながら意気揚々と歩き始めた。
ただ、日本海方面から流れ来る不穏なガスが、赤坂山から寒風、そして大谷山へと続く、まさに僕が今日歩く予定の山稜を、猛烈に吹き抜けているのが見えた。
山では悪い予感というのはおおよそ当たる。特に、天気の悪化というのは、おそらく気圧の変化などを五感とは別の何かによって無意識に感じるんじゃないかと思っている僕は、よぎる不安を必死でかき消しながら、祈る思いで登山道に取り付く。
前回、同じ道を下ってきているから覚悟はしていたけど、いきなり現れる階段の急登に、初っ端から息が上がる。しかも今回はテント泊の装備を一式背負っているので、いつにも増して足への負担は大きい。それでも高島トレイルのテント泊縦走を始めるに際して、かなり装備を見直したこともあり、思ったよりも軽快に歩けている自分が嬉しかった。
しかし、そんな気持ち良いハイクも武奈の木平の手前までだった。標高を上げるごとに、トレイルを覆う周囲の木々は風によりたわみワサワサと暴れ始める。そのうち、ジェット機が飛ぶようなゴォォ〜という重低音が山頂方向から途切れる事なく聞こえ始め、僕のチキンハートを揺さぶり続ける。
それでも、天気予報に一縷の望みをかけて稜線に上がると、案の定辺り一面真っ白なモノクロームな世界の中、猛烈な強風に吹きつけられた霧の様な微細な雨粒が暴れ狂う荒野と化していて、僕は途方に暮れて立ち尽くすしかなかった。
「これ、あかんやつやん。」
最新の天気予報を確認しようにもスマホの電波が立たない。使い物にならない端末を握りしめながら深い溜息をつく。
まぁ、仕方がない。こんな日もあるさ。
それでも15分ほど風雨にさらされながら、ガスが切れるのを祈って待ってはみたものの、山稜を越えて次々と押し寄せる湿った重い雲は濃さを増すばかりだった。
失意に沈みつつ踵を返し、もと来た道を下る。トボトボと下山しながら、それでもなんだかこの状況を楽しんでいる自分を見つけてホッとする。
僕は登山家でもなければ、ピークハンターでもアスリートでもない。ただただ、気持ちよく、楽しく、フワフワと旅をする旅人でいたいんだ。行くも自由。戻るも自由。誰からも束縛されず、気の向くままに旅がしたい。
僕が歩きたかった高島トレイルはコレじゃ無い。もっと気持ちよく、風がそよぎ、柔らかな日差しの中、どこまでも続く美しい稜線を歩きたいんだ。
できれば映えるナル~なセルフショットを大量生産しつつ(笑)
こうして僕は、近いうちの再訪を誓って高島トレイルの旅を終えた。
余談だけど、下界に降りて駅まで戻るバスの時刻を確認したら、マキノ駅行きのバスが来るまでにはまだかなり時間があったので、この際歩くかぁ~とメタセコイヤ並木を眺めながらマキノ駅までの6キロのロードを歩いていたら、思った以上に時間がかかってバスに抜かれた(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
うん、まぁ、いい旅だったよ(笑)
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YAMAPのログもここに貼っときます。
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